傷跡除去手術と傷跡への植毛

傷跡を切り取って縫い直す手術と、傷跡の上に髪を移植する手術とでは、仕組みも、残る傷跡も、治療期間も異なります。

豊かな髪を見せる男性モデルの演出画像

傷跡を切り取る手術と、髪で覆う手術

頭皮に瘢痕が生じた場合、過去には瘢痕部位を切開して再縫合する瘢痕形成術を施行したり、組織拡張術という手術を多く施行しました。

しかし、過去の治療法は瘢痕を除去するのにその効果が制限的であり、瘢痕を取り除くための手術により別の新しい瘢痕を残すという欠点がありました。

大きな瘢痕に主に施術される組織拡張術は、手術を2~3回以上必要とする非常に複雑で治療期間も長くかかる手術(最低3~6か月)で、患者さんの満足度が大きく低下しました。

頭皮の傷跡への植毛は治療範囲が局所的なことが多く、供給部の頭皮を帯状に切り取らないFUE法が主に用いられます。

FUE法による自毛植毛は、後頭部の頭皮を帯状に切り取らず特別に設計したパンチで毛包単位を採取・移植する手術法です。切開線が残らず抜糸も不要で、痛み・腫れ・傷跡が残らないため、翌日から日常生活が可能です。

  • 説明用画像:広い傷跡を切り取って縫い合わせた跡が、元の傷跡より長い線として残った後頭部

    傷跡を切り取って縫い合わせる手術

  • 説明用画像:傷跡に移植した髪が周りの髪と同じ方向に伸びて傷跡を覆った様子

    傷跡の上に髪を移植する手術

項目FUE法による自毛植毛瘢痕形成術・組織拡張術(従来の治療法)
治療の仕組み傷跡に毛包単位で毛髪を移植し、傷跡を毛髪で覆います。傷跡を切開して再縫合する、または皮膚を伸ばして傷跡を切除します。
新たに残る傷跡切開線がないため、採取部と移植部に目立つ傷跡は残りません。傷跡をなくすための手術で、別の傷跡が残る場合があります。
手術回数・期間必要な範囲に合わせて計画します。抜糸は不要です。組織拡張術は2~3回以上の手術と、最低3~6か月の治療期間が必要です。
日常生活への復帰痛みや腫れが少なく、翌日から日常生活が可能です。手術のたびに回復期間が必要です。
FUE法による植毛の手術過程

傷跡のある頭皮にFUE法を用いる理由

説明用画像:線維化して厚くなった傷跡と薄くなった傷跡がある頭皮の断面と、その上で選ばれた健康な毛包ひとつ

頭皮の傷跡を植毛で治療する際に切開法よりFUE法を主に用いるのは、傷跡を治療しようとして後頭部に別の傷跡を残さないためです。

切開法は後頭部を帯状に切り取った範囲内の毛包しか使えないため、健康な毛包だけを選ぼうとすると切開範囲が広がります。FUE法は採取器具で健康な毛包だけを選んで採取し、毛包が足りなければ追加で採取して移植できます。

傷跡の組織は通常の頭皮と異なり、線維化で厚くなりすぎているか、逆に非常に薄くなっています。組織が厚いと毛包が定着しにくく、薄すぎると移植した髪が抜けやすいため、傷跡のある頭皮ほど健康な毛包を選んで使うことが大切です。

十分にご相談いただき、
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